日本の新型コロナウイルス対策:国際社会への貢献

令和3年3月18日
在ノルウェー日本国大使館ホームページをご覧の皆様、こんにちは。

 ノルウェーは欧州諸国の中でもコロナウイルスの感染率が低い国として知られていますが、そのような中でノルウェー政府がしっかりとした感染予防対策を打ち出し、ノルウェー国民がこれに真摯に協力していることに敬意を表したいと思います。
 
 日本においても政府と地方自治体の連携の下、コロナウイルス感染拡大の防止のため種々の方策が講じられており、医療従事者へのワクチン接種が開始したほか、緊急事態対象地域が1都3県に縮小する等徐々に成果を上げつつあります。
今回の新型コロナウイルス感染拡大による危機を乗り越えるため、日本政府としては、各国の個別の感染対策に加え、昨年末の国連新型コロナ特別総会にて菅総理が言及したとおり、国際社会が連帯し、「団結した世界」を実現するとともに、「人間の安全保障」の理念に立脚し、「誰の健康も取り残さない」ユニバーサル・ヘルス・カバレッジの達成を目指すことが重要であると考えています。
 
現在、新型コロナウイルス感染症の収束に向けて、途上国を含めてワクチンへの公平なアクセスを確保し、各国におけるワクチン接種を加速していくことが国際社会共通の課題となっています。日本政府は、多国間協力の枠組みを重視し、日本がノルウェー、EU諸国とともに立ち上げたACT(Access to COVID-19 Tools)アクセラレータの枠組みを通じ、安全で効果があり手頃な価格の新型コロナウイルス感染症ワクチン・治療・診断の開発、生産及び公平なアクセスの加速化に取り組んでいます。また、その一環として、ワクチンの公平なアクセスのためにCOVAXファシリティ(COVID-19 Vaccine Global Access Facility)にいち早く資金拠出するとともに、特許プールを通じた治療薬の供給に向けた取り組みを進めています。
更に、日本は,アジア・大洋州の25カ国を対象に、UNICEFを通じ、保冷設備や運搬用車両等の機材供与等を通じたコールド・チェーンの整備を実施するなど、ワクチンを世界の一人ひとりに届けるための支援を行っています。

ここノルウェーではワクチン接種が進み、一部高齢者の方が、ご令孫を抱擁することができるところ中まで戻ってきていると承知しています。とは言え、まだまだ厳しい状況にあることは否めません。当館としても、引き続きしっかりとした感染対策を取り、皆さまと共にこの難局を乗り切っていきたいと思います。
 
2021年3月
駐ノルウェー日本国大使
川村裕